関連タグ:

「Nautilus」がSui Testnetで公開

2025年4月16日(日本時間)、SuiはXアカウントにて、新たなセキュリティ基盤「Nautilus(ノーチラス)」をSui Testnetで公開したことを発表しました。

これは、Web3アプリにおけるプライバシーと計算の信頼性を両立する分散オフチェーン計算基盤であり、開発者が自前で管理するTEE(Trusted Execution Environment)を活用して、機密データ処理の結果をオンチェーンで検証可能とします。

TEE(Trusted Execution Environment)とは

TEE(Trusted Execution Environment)とは、機密データや処理を信頼された安全な領域で実行し、OSや他のアプリケーションからの不正アクセスを防ぐ技術です。

Nautilusの主な特長

  • オフチェーン計算の検証可能性:AWS Nitro EnclavesなどのTEEで計算された処理結果に対し、暗号的証明を生成し、オンチェーンのMoveスマートコントラクト側で検証が可能です。
  • 機密性とスケーラビリティの両立:データの安全な処理をオフチェーンで実現しながら、その信頼性をオンチェーンで保証します。
  • 開発者向けツール提供:AWS Nitro Enclaves向けの再現性あるテンプレート、GitHub上のサンプルコード、Moveとの統合用ライブラリなどが提供されています。

想定ユースケース

Nautilusは、以下のような機密処理を要するWeb3アプリケーションにおいて活用が期待されています。

  • 現実世界のデータ(価格、天気、スポーツなど)を扱う改ざん不可能なオラクル
  • AIエージェントの推論処理をオフチェーンで行い、結果をオンチェーンに記録するワークフロー
  • 競争性の高いWeb3ゲームにおける非公開メタデータやロジックの活用
  • ユーザー情報を開示せずに行うKYC/AMLのプライベートな本人確認

NautilusとSealを併用することで、安全な計算と安全なデータアクセスの両方を実現する強力なプライバシー保護ユースケースが可能になります。

“Tamper-proof oracles for real-world data, such as prices, weather, and sports
AI inference with agentic workflows and onchain provenance
Hidden metadata and logic for fair competitive Web3 games
Private identity verification for KYC/AML without exposing user details

When used in tandem, Nautilus and Seal unlock powerful privacy-preserving use cases that span both secure computation and secure data access.”
出典:https://blog.sui.io/nautilus-offchain-security-privacy-web3/

Sealは分散型シークレット管理サービスで、Suiテストネットで公開されています。

今後の展望

Nautilusはテストネットで提供されており、対応TEEの拡充やメインネットへの導入が検討されています。

DeFi、ゲーム、AI、認証など各カテゴリの有力dAppへのNautilus統合を進め、実運用での活用事例を増やすことで、信頼性と標準化を推進していくと思われます。

投稿を確認
投稿:2025年04月16日 09:00
SUI

$SUI 価格推移

時系列価格変動率
当時$2.116-
1時間後$2.127+0.54%
24時間後$2.075-1.95%
7日後$2.454+15.96%
30日後$3.856+82.22%

Coming Soon...