2024年7月26日（日本時間）、SuiのXアカウントにて、新しいコンセンサスプロトコル「Mysticeti」をメインネットに導入したことを発表しました。

Mysticetiの特徴と性能向上

「Mysticeti」は、Sui Networkが独自に開発したコンセンサスプロトコルであり、テストネットにおいてコンセンサス時間を80%削減する成果を上げています。具体的には、テストネット上でのコンセンサス遅延を390ミリ秒、決済最終確定時間を640ミリ秒にまで短縮しました。

以下は、Mysticetiによる主な改善点です。

• 最小のラウンド数でコミットが完了：
  Mysticetiでは、バリデーターがブロックに署名して共有する際に認証を必要としないため、1ラウンドあたりの通信が「ハーフ・ラウンドトリップ（half round trip）」で済みます。これにより、DAGベースの合意方式としては最小のラウンド数でブロック確定が可能です。

• レイテンシーを増加させずにスループットを向上：
  一般的な合意アルゴリズムに存在する「プライマリ（主）とワーカーの区別」を廃し、トランザクションをプライマリブロック内に直接インライン化する設計とすることで、レイテンシーを抑えながらも10万TPSを超えるスループットを実現しています。

• より早くコミットされるトランザクション：
  Mysticetiでは、毎ラウンド複数のリーダーが自動的に選出されるため、より多くのトランザクションを早期に確定（コミット）できます。これにより、ゲームやDeFiアプリケーションにおける応答性が大幅に向上します。

ゲームからDeFiまで、UXを革新

Mysticetiは、あらゆる分野のアプリケーションにおいて、ユーザー体験の根幹を担う「スピード」と「信頼性」の両立を実現するプロトコルです。ゲーム、NFT、DeFiなどリアルタイム性が求められるアプリケーションでも、待ち時間なくスムーズなトランザクション処理が可能となることで、Web3の利用シーンを一変させる可能性を秘めています。

今後の展望

Sui Networkは、今後も「Mysticeti」を活用し、さらなる性能向上とスケーラビリティの強化を図るとしています。これにより、DeFi、ゲーム、NFTなど多岐にわたる分野での利用拡大が見込まれます。